荒野の狼

心の糸の荒野の狼のレビュー・感想・評価

心の糸(2010年製作のドラマ)
5.0
2010年NHKで放送の73分のスペシャルドラマ。耳の聞こえない設定の役を演じた松雪泰子と谷村美月、と息子役を演じた神木隆之介の三人が好演。神木(1993年生まれ、当時17歳)の役柄は高校生、谷村(1990年生まれ)は高校を卒業して数年くらいの設定、松雪(1972年生まれ)は神木の母親役で、三人とも年齢的に設定と一致。神木の演技力は圧倒的で、松雪との母子との会話は常に本音で語る真剣勝負で視線をそらさない。終盤で、走り去るトラックを必死で自転車で追いつこうとするシーンは胸を打つ。視聴をはじめたら最後まで惹きつけられる演技で、ドラマを見ていて飽きるということがなく一気に鑑賞してしまう作品。
谷村は声を出すセリフは一切なく障碍者の役であるのに、まったくハンディを感じさせない。世代の違う障碍者の谷村と松雪、さらに彼女らをとりまく周囲の環境を描き、一歩前に進もうとする意識をもった若い世代の神木と谷村の演技に続編が見たいと思わせる仕上がりになっている名作。
荒野の狼

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