荒野の狼

二十四の瞳の荒野の狼のレビュー・感想・評価

二十四の瞳(2022年製作のドラマ)
4.0
2022年NHKで放映された90分のドラマ。本作の魅力のひとつは小説の舞台である小豆島で撮影されているところ。島にある「二十四の瞳映画村」では学校のシーン、教え子と大石先生の記念撮影はエンジェルロードで行われるなど、さりげなく観光名所を挿入してある。原作は長編小説なので、ドラマ版は省略はあるが、場面によっては十分に時間を割いている。たとえば、戦死した男の教え子の墓をひとつひとつ訪れるシーンを入れて、どの子どもたちが死んでいったのか視聴者にもわかるように、そこに思い出話を短く挿入。いかに多くの命が第二次世界大戦で理不尽にも失われていったのか感じられ効果的。戦後の物資のない時に、急死してしまった子供の御棺のかわりに箪笥の引き出しを使うシーンは涙を誘う。ラストの教え子とのシーンは、小説よりセリフも含めて長いが、丁寧に描かれており、名場面になっている。本作が気に入った人には是非、小説を読むことと、小豆島を訪れることを勧めたい。
荒野の狼

荒野の狼