…曖昧と無難を繰り返してきた報いよ。
玩具メーカーに勤務するサラリーマン辻一路。真面目で温厚だが、新人OL「みっちゃん」と、課のお局・細川さんと二重交際進行中である。
ある夜、コンビニ帰りの踏切でクルマを立ち往生させてしまった女・葉山浮世を救った。それが彼の運命を狂わすことになるとは露とも思わずに…
「本気のしるし」
星里もちるのコミックを映像化したメーテレ製作ドラマ。再編集版が劇場公開されたのも記憶に新しいですな。深田晃司監督の作品です。
とにかく守ってあげないとヤバイくらいトラブルを起こす嘘つきオンナと、彼女に振り回される男。見ていてイライラすることしきりなんだけど、徐々にサスペンス色が濃くなってきます。あの好青年な森崎ウィンがガチでブチキレて追い込まれていく姿を見ているだけで楽しい。マンガ原作だから深田監督らしい繊細さは無いんだけど、一見かよわい浮世のしたたかさ、一見おバカなみっちゃんの腹黒さ、一見優しい辻の狡さ…という人間の汚さは堪能できます。実は典型的なファムファタール・ノワールで、チャンドラーの影響があると言える作品（ザリガニの名前がマーロウ）。マンガの星里タッチだとそうでもないけど、実写だと怖さが倍増。いい終わり方なのに何かオソロシイ。観るべし！
