名作のわりに意外とリメイクされてこなかった『悪魔の手毬唄』。加藤シゲアキ版第2弾ということだが、市川崑版の模倣ではなく、新しい作品として十分存在価値のある作品となった。
まず、加藤シゲアキだから「作家」って呼ばれるギャグから始まる。
映画版では北公次が演じていた準主役のカナオを、ジャニーズWESTの小瀧望が、
また鬼首村に錦を飾る大スター大空ゆかりこと別所千恵子を中条あやみが、演じている。
これらの若手を支える脇がすごい!
「おおっ!」っと声を上げてしまうほど感動したのは、石坂浩二と並ぶ往年の金田一耕助、古谷一行が登場したとき。この人が現れただけで画面が締まる!
古谷一行が磯川警部というだけで粋な計らいなんだが、その上、金田一耕助の帽子をかぶって「これ、これ。懐かしいなぁ。」なんてセリフ。オールドファンへのサービス満点!
さらに恩田に絡む3人の熟女が、寺島しのぶ、斉藤由貴、国生さゆり。それぞれ引けを取らない圧を感じさせるドスの効いた演技。
加藤武に代わる「よーし、わかった」警部役に生瀬勝久。こいつがウザい!
久々に見た別ベクトルからの『悪魔の手毬唄』。市川崑版との比較はナンセンス。今が旬の若手と、テレビドラマとは思えない豪華なベテランとの組み合わせで、フレッシュな魅力を感じさせてもらった。加藤シゲアキの金田一耕助は少々子どもに見えすぎるが、これだけ丁寧に作ってくれるのなら、まだまだ続きが見たい。