岸辺のアルバムのsatoshiのレビュー・感想・評価

2024/01/20 14:08

岸辺のアルバム(1977年製作のドラマ)

4.9

　追悼・山田太一。普通の家族を解体し、家族の在り方を問う。表面上は問題ないように見える家族が、それぞれ問題を抱え、崩壊寸前まで行く。序盤は長男を狂言回しとし、家族の問題を描いていく。後半はその謎が公にされ、家族の解体が描かれる。特に杉浦直樹演じる父親の解体ぶりが凄まじく、「父親」として築いてきたものをほとんど（家族以外）を失う。しかし、全てを失ったことでまっさらになることで再出発した姿に、とても前向きなものを感じた。