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いいね!光源氏くんの傘籤のネタバレレビュー・内容・結末

いいね!光源氏くん(2020年製作のドラマ)
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このレビューはネタバレを含みます

光源氏が現代に転生してきたら、というすちゃらかな設定で始まり、ヒモ生活を始め、SNSで人気になったり、ホストクラブで働き始めたりと、その後の展開もすちゃらかだ。
光君役は千葉雄大さんで、雅でおっとりした光源氏像になってます。歩くときに手を少し前に出してしなしなとゆったりしてるところや、烏帽子をどんなときも手放そうとしないあたり、たぶん平安貴族の風習に乗っ取っているんだろうと感じられるのでコミカルさが際立つ。千葉雄大さんは仙台出身の俳優で、演技の上手さはともかくこのおっとり感はなかなか良い。
光君を居候させることになったOL役(沙織)には伊藤沙莉さんを配役。うーん良いです。ハスキーな声が特徴的な方ですが、演技にやり過ぎ感が無くて見ていられる。コメディドラマって役者の演技がくどいせいで寒くなることあると思うんですが、伊藤沙莉さんはそこら辺の塩梅が上手く、ツッコミ役として卒の無い範囲で立ち回ってくれています。やっぱ家族に芸人がいるとそういうさじ加減が身に付くものなのかしら。関係ないか。
話は基本ずっとまったりとしていて、よく言えば気楽。悪く言えば締まりが無いです。でも「光源氏が現代に登場したら」というもしもボックス的な面白さに加え、相対的に文化の違いが見えて来てクスッとくるし楽しい。
沙織が「あなたと恋愛をした人で幸せになった人は1人もいなかったよ!」と痛烈なことを言っていて、よう言うた!と思いつつ、その後に一人一人のことを光君は愛していたとフォローを入れたり、『源氏物語』に対する作者の愛着とファンならでは文句が見え隠れしてるのも良い。そこからたった1人の女性を愛するという結末に至るのは、現代的な価値観に当てはめすぎてると思うし、無難だとも感じるけど、終わり方としては綺麗だ。
実写版おじゃる丸的な楽しみ方もできるため、見ていてまったりとした気分になれた。し〜ずん2も見よう。
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