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商道~サンド~のAYASのレビュー・感想・評価

商道~サンド~(2001年製作のドラマ)
4.8
王族でも、医療従事者でもなく、一般人(商人)がどう生きるのか、を描いた作品。

結局100点満点の人生はなくて、どんなに外から見て成功している人でも何かを諦めたり心残りを抱えていたりするんだと思った。
20年前のドラマなのに、家父長制の問題を浮き彫りにしていた。松商の大房のおかげで、タニョンは死が目前に迫っている病人と結婚させられ、やっと好きになった人とは結婚させてもらえなかった。チョンチスも当初はもっと純粋だったのに、どんなにひどい事でもする人間に成り下がり破滅してしまった。見返りなしに人を助けることがなかった人だった。
サンオクもどんなに国のために働いても、民のために命をかけて革命を起こすと情熱に溢れていたホンギョンネに借りを作ったままだと思いながら、人生を生きた。自分も同じ気持ちだからといって、全てを捧げる決意が出来なくてもいいのだとも思った。

人を残す(育てる、大切にする)、足ることを知る(人間の欲望にはキリがない)、何でも溜め込まない(溜め込まれたものは腐敗する)ということは、繰り返し強調されていた。今の日本は完全に真逆をいっていると思う。
女性陣も全て思いどうりの人生を送れた人は1人もいないけれど、その都度一生懸命考え、最善と思われる選択をしていた。最後におさまるところにおさまったようで良かったと思う。
李氏朝鮮末期、アヘン中毒の治療に有効だからと、朝鮮人参の対中国輸出額に対する税金が国家財政の半分近くを占めていたことは驚きだった。
イビュンフン監督作で、チャングムと争うぐらい好きな作品だ。
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