夏藤涼太

Motherの夏藤涼太のレビュー・感想・評価

Mother(2010年製作のドラマ)
4.5
#5話
ようやく花粉症が落ち着いたと思ったのに再放送を見て泣きすぎてまた鼻水びちゃびちゃになってしまった。
長女から二人の母から何から何までもうずっと泣いてる。

そしてそれと同時に、演出の上手さにビビる。奈緒がうっかりさんを本当の母親だと気づいた経緯を、セリフで一切説明せず、全てを映像で物語ってみせる。

近年の映画やドラマの倍速視聴問題について、最近の若者は〜みたいな論調が多いけど、やっぱり制作側の問題がだいぶ大きいと思うんだよな。
今やってるドラマの多くは、(演出としての間を超えて)テンポが遅かったり、演技がゆっくりだったり、なんでもセリフで説明するから、正直スマホ触ったり早めたくなる気持ちはわかるし、
なにより今再放送してる『Nのために』だったら密度が濃いからスマホなんて見てる暇がないし、『mother』はセリフじゃなくて映像で語ってくるから、画面見逃すと話が理解できない。倍速のしようがない。
ここ10年、20年で倍速視聴されるような作品を増やしてしまった業界の責任を感じざるを得ない。
もっとも、制作側は、「今の視聴者はスマホを見ながらドラマを見るから、ながら見、あるいは耳だけで聞いてても理解できる作品にしてください」って上から言われてるからなんだろうけど……負のサイクルすぎる……

#8話
気が狂いそうなくらい泣いてる。「温かい水と冷たい水」のくだり天才すぎるし、「純粋な子供→子供らしい子供を演じる子供→純粋な子供」の演技分けができる芦田愛菜さんマジやべえよ……

#9話
泣きすぎてメシが喉を通らないので食事時に見るドラマではない、と、毎週水曜日に毎回同じことを思っているので、たぶん来週もメシが喉を通らない。

#11話(最終話)
放送当時はあんまり気づかなかったけど、再放送で、keyの #AIR とかなり似てる点が多いことに気づいた

血の繋がりのない母娘物語で、音色や旋律が似てるBGMは多いし、「私がちゃんと〜するのを見ててね」って娘がお願いして一歩一歩近づくラストとか…
だからやられたのかな…
やっぱりどうしても「母性」をテーマにしている点で、それも脚本家が男だから、今だったら生まれ得なかったか、もし放送できてもSNSで毎日叩かれてそうだなぁと思ってたけど、一応最終話には母性神話を皮肉るセリフもあったんだね
「そんなのは男の人の幻想ですよ」って。でもそれもまた幻想?
夏藤涼太

夏藤涼太