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コペンハーゲン:権力と栄光のごnのレビュー・感想・評価

コペンハーゲン:権力と栄光(2022年製作のドラマ)
4.2
見るものがなくて何の気無しにみたら凄く良かった。

恥ずかしながらグリーランドとデンマークの関係を始めて知った。

政治ドラマとしても良くできていて。
アメリカ、中国、ロシアにとって、利害関係のぶつかるただの地理的要素として扱われているという、何とも日本と酷似している状況に怖さと親近感を覚えた。
そんな中、果敢に強国相手に小国デンマークの政治家が踏ん張る姿はマジで日本の政治家に見習って欲しい。
とりかく、アメリカも中国もロシアも自国のことしか考えていないから、平気で約束を反故にして裏切る。酷いとは思うが、友達ではなく国家間の政治ゆえに当たり前で、当たり前だからこそ、油断なく毅然としていなければダメだと痛感。
デンマークとアメリカの同盟関係より、グリーランドとデンマークの依存関係に日米同盟の不気味さを感じた。

地味だけど官僚の割り切り方と有能っぷりも痺れるし、外相もこんなに分刻み秒刻みで地道な判断と交渉を迫られるとは…大変だこりゃ。アメリカドラマみたいな無駄な派手さが無い分、めちゃくちゃリアルに感じた。
政治家とSNSの描き方も、わかるわーって感じ。


仕事場で戦う中年女性らの物語でもあって。

更年期障害とか急な生理とか生々しいけど政治家も人間だと感じさせてくれる。

ビアギッテが母親として、2回目のTV出演で、ついつい息子に口走ってしまったセリフ、ようわかる。わかるよ。炎上してたけど、ぶっちゃけ責められない。

女性だからこその困難っぽく描かれている側面はあるけども、管理職として、人の上に立ち、部下を抱えることがどんだけ孤独な戦いかは性別関係なく実感できるものだし、こっちまで胃が痛くなりそうなぐらい、そこら辺もアルアルだらけのリアルが描かれていたと思う。
国が違くても人間の所業は一緒なのね。

去り際をキレイに乗り切ったビアギッテに対して、カトリーヌは壊れてしまって辛かった。旦那さんが良き人で良かった。
彼女は間違った訳では無いし、同じ会社にいたら、味方でいてあげたいし、踏ん張れるように支えてあげたくなる。
でも、スーツの時より、最後に出てきたラフなスタイルで自然の中にいる彼女の方が綺麗だったのが印象的。

ビアギッテの最後の演説も良かった。
権力という言葉を嫌うお国柄、その背景とかをうっすら知って、日本に似てんじゃね?と思った。
デンマークに興味が湧いたから調べてみよう。

そしてどうやら私が見たのはシリーズの最新版で、過去に3シリーズあって、最初は10年前らしい。
時間逆流だけど、前の3シーズン観てみようと思う。

デンマークって時々めっちゃ良いドラマあるんですよね。俳優さんも良いし。
言葉がわかんな過ぎて題名忘れちゃうけど。
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