ふじこ

死にたい夜にかぎってのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

死にたい夜にかぎって(2020年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

"死にたい夜にかぎって"というタイトルに惹かれてしまった。
ドラマか…ドラマ…う~ん、と思いつつも、妙なリアル感があって良かったなあ。

ドラマ、というテイではあるけれど、最終話である"あとがき"に全てを賭けた作品だった。

人に求められたい、必要とされたいと思いながら、自分にそんな価値があるのか。
自己肯定感を高められないまま成長してしまった男と、20歳で事故に遭って車椅子になり結婚を諦めてしまった女。
自分の価値をどこに置くか、そしてその価値を誰かが価値だと思ってくれるのか。
1話~6話のヒロインだった精神が不安定な女アスカもまた、同じような人間性だったんじゃないかと思う。

世の中の何割の人が思ったのかは分からないけど、"あ~、なんで生きてるんだっけ"みたいなふとした瞬間にぼーっとしてしまうようなそんな空気感があって、それが妙にリアルで嫌なんだけど、ぬるま湯みたいな温度感が心地良くもあったなぁ。本当に嫌いなんだけども。あぁ死んでないから生きてるんだわ、みたいな。

いつもいつも何かに空振りしてるみたいな気持ちでいても、共依存で求め合って、でもそれ本当に相手を求めてるのか?みたいな、そんな関係性が別れて離れて別々の道に立って初めて、付き合っていた時よりも相手の幸せを願っているって言えるようになったんなら、楽しいだけで本当に無駄な6年だったとしても、必要な6年だったんだなぁと思う。

表紙だけ見たことある本だったけど、こんな内容だったのか~。
いやぁ、1話30分未満で短くなかったら観てなかったかも知れないけど、観て良かった。

知ってる俳優は安達祐実しかいなかったけど、何年経ってもかわいいな、どうなってるんだ。
ふじこ

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