たわらさん

アンナチュラルのたわらさんのレビュー・感想・評価

アンナチュラル(2018年製作のドラマ)
5.0
✔️総評
法医学というハードで小難しい印象を受けるそうな設定であるのに、コメディとシリアスの塩梅が良くとても見やすい。物語のテンポ感も良いため1話辺りの満足感も高い。

一話完結方式であるのだが、様々な視点から死因を扱ったミステリーを描き、2軸目で"過去"を生きる中堂さんの事件を同時並行に描く構成、対比構造と相関性のある物語で凄まじい。全てが綺麗に解決するわけではないリアリティのある後味や構成など同じTBSドラマの『ケイゾク』を彷彿とさせます。

✔️テーマ性
三角ミコトの行動理念として一貫しているのは被害者に寄り添うことである。加害者の動機や生い立ちなんてものはどうでも良く、今生きている人の未来に寄り添っている。本作の凌駕する点は、三澄ミコトの一家心中の過去に全く触れない点である。過去のトラウマや感傷に浸らない。これは"未来"に向けたエールであり、鼓舞である。なんて温かい作品なのであろうか。
たわらさん

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