明蘭~才媛の春~の25の情報・感想・評価

エピソード25
第25話
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tanzi

tanzi

孫家の才人と姑を戸籍証文でやり込める胸のすく回。 そもそも、芸妓だった者を側妻にするのは非常に不名誉な事、というのがまず時代としての前提。(顧廷燁も許されなかった) そこへ当時の戸籍制度として、実は芸妓になった時点で出自がどうあれ買い取った店側により戸籍(世襲制)は“賤籍“に変更される。 そして賤籍のままでは上の階級との婚姻は法律で禁止されている。 孫家は芸妓の身売り証文を買い身請けしたが、彼女の賤籍まで買い取る事は思いつかず千金閣に残されたまま。賤民と良民との婚姻は違法なため役所に出されると孫秀才は仕官の道どころか秀才も取り消される。 明蘭の機転により最後はそこを本家が握った、と。 あんなスッとする「ペイッ!!」もそうそうないよ。ザマミロ! このように、他では味わえない奴婢と良民、それより乖離の激しい貴人との身分の差が克明に描かれるのがこのドラマの特徴。どこまでいっても上には上が、の世界。 加えて、強固な男女の壁が立ち塞がるんやで。 一夫多妻を羨ましがる単純な男性が世の中には沢山いるけど、これ見てるとうまくいってる家庭なんか奇跡みたいなもので大抵は家内のゴタゴタや恨み、人格破綻の原因やないか。 一夫多妻をうまく回せる男など相当の才能が必要で、たった1人の妻に対する配慮すら欠ける現代日本男性には絶対に無理やんな! そう思うと嫁ぐ以外に生きてゆく道のない当時の女の不憫さに遠い目になりますね。そのうえ女の名節に雁字搦めなわけだし。 本家の大奥様の今際の言葉。 結局彼女も夫から受けた恥辱を忘れたことはなく、娘を亡くした悲しみを恨みとして抱いていた。 見てて背筋が寒くなる瞬間やったわ。 誰かに嫁ぐ、それ以外の選択肢のない女性の一生がとてつもなく重い。 それって今なおどこかでは残ってることで、完全に自由になったとは言い難いこの世界。 そんな世界で生きる明蘭の命を再び救った廷燁。 前話で書容の事を話す明蘭を見る顧廷燁の目で「これは惚れたな」というのが分かる演技だった。 かといっていきなり告白したり匂わせたりせずに、明蘭の名節をまず第一に考え影で見守りつつもむしろ1人で帰らせるヒーローのなんと斬新なことよ。 そこを上手く説明臭くならず(しかもコミカルに)、彼の思い遣りを表現し書かれた脚本の見事なこと。 すくすく育った元若と曲がりくねった道を来た顧廷燁の彼女に対する意識が結果的に真逆ぐらい違うのも面白い。 この作品以降、他の作品で良家の令嬢が堂々と街中デートしたり人目のある所で親密にする、または男に抱き抱えられたまま家まで送り届けられるなどという“ドラマだからこそのウソ“に大きな違和感を持つようになってしまったことはここだけの秘密。 ちなみに、父が匪賊と戦ってる時に書容が諳んじてたのは范仲淹の「岳陽楼記」。 この演出も憎い、素敵すぎる。
める

める

顧廷燁が最初から最後までかっこよかった。あの大人数を一人で倒せるの現実離れ(笑)
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らき

らき

1/22 度々顧廷燁に助けてもらう