ask

サイコだけど大丈夫のaskのレビュー・感想・評価

サイコだけど大丈夫(2020年製作のドラマ)
4.2
ASD(自閉症スペクトラム障害)の兄サンテと精神病院の保護士として働く弟ガンテ。ガンテは母から「サンテのために産んだ」と言われ育てられたことから、アイデンティティを失くし自分の欲望に蓋をしながら生きている。2人の母は彼らが幼少期の頃に他殺で亡くなっており、現場にいたサンテが抱えたトラウマは20年以上経った今でも彼らを苦しめ、逃げるように居場所を転々としながら生活している。
ある日、ガンテはパニックになった患者に襲われているムニョンと出会う。ムニョンはサンテが好きな児童文学の有名な作家だが、反社会性パーソナリティ障害の疑いがある言動や行動を持つ。彼女がガンテに興味を示したところから物語が始まる。
彼らの出会いは運命か、悪縁か....。


ティム・バートンのような、オリジナル童話から始まる物語。前知識なしで観たので、2話目まで観た時にはファンタジー系なのかな?苦手だな...と思って入り込めなかったのだけれど、3,4話目から一気に没入。やはり韓国ドラマは3話が鬼門!
 
ガンテとムニョンのロマンス以上に、サンテを含めた家族愛に涙、涙、涙......。自分を大事にして初めて人を大事にできる。でも自分を大事にしてもらえなかったら?....それぞれが抱えたトラウマや忘れられない記憶を持つ中で、院長をはじめ周りの人たちの自然で優しい付き合い方に胸が熱くなった。弱いからこそ寄り添って支え合って、弱いからこそ誰かを守りたい、強くなりたい。自分のもの(感情)は自分のもの。母の愛は時に呪いにもなり得ることは、肝に命じないと....と子供を持つ親目線で見ても色々考えさせられた。
サンテとムニョンはその特性ゆえ相手の感情・事情・都合お構いなしの発言が多いのだけれど、考え方が至ってシンプルだからハッと考えさせられる台詞が多かった。

終盤はずっとオッパ....オッパ....!!!!!!?オッパーーーーッ!!!な展開で涙なしには観れなかった。とにかくオ・ジョンセ演じるサンテオッパの演技が素晴らしい。前に観たシスターズに出演してたのに気づかなかったくらい。本当、韓国の俳優さんは演技の振り幅がすごい.....。主役2人は美しすぎて眼福眼福。

韓国ドラマならではの話数&1話あたり1時間超えの濃密さがあるからこそ、ゆっくり登場人物への感情移入ができて、感慨深いラストを迎えられる。作中登場するムニョン作の絵本は5冊あるのだけれど、実際に出版されていて最後の1冊だけ購入しちゃった。それぐらい、観終わったあとの余韻がすごい〜。
ask

ask