どらやき

サイコだけど大丈夫のどらやきのレビュー・感想・評価

サイコだけど大丈夫(2020年製作のドラマ)
4.8
「大丈夫じゃないけど大丈夫」という言葉が印象に残った。様々なトラウマを抱える登場人物たちが自分自身を受け入れて、現実を見つめ、成長していく物語だったと思う。個々の尊重、人に優しく、自分に優しくといったテーマで、それが押し付けがましくなってないのがすごい。ハッとしたり心に寄り添ってくれる伝え方。愛にあふれている作品でした。

自閉症の兄を守るという使命感に縛られたガンテ、己の欲しか見えない童話作家のムニョン。最初はバチバチだった相反する二人の成長、そしてガンテの兄サンテの成長過程がすごく温かくて感動的でした。ガンテ役のキムスヒョンの押し殺した情熱とピュアな演技に心掴まれてしまった。彼の瞳の力はすごいと思う。

ムニョンの絵本の教訓とか、サンテの報酬主義なところとか、ガンテの自己犠牲の心理とか、所々に心に刺さるセリフやエピソードが散りばめられていて、納得したり共感したりする。
個性豊かな病院患者さんたちも魅力的。一番インパクト強かったのは議員の息子の回ですね。いろんな意味で…!笑って泣けた回。

みんな大の大人なのに、遊ぼうって言ったり喧嘩したり、拗ねたり可愛かった。童心にかえるような癒やしがありました。ムニョンとサンテオッパのコンビは最強だと思う。この二人に世話を焼いたり、かまって欲しがったりするガンテがこれまた可愛い。

ミステリーパートはしっかり山はあったけど意外と深追いしない印象。復讐劇じゃないもんね。人の温かみの勝利。

幸せな最終回で幸せでした。出会えて良かったドラマでした。
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