多分毎週は書けない(ナンなら忘れるかもしれないw)が、気が向いたら下に追記をしようと思う。
とりあえず第5話まで観終わった感想を。
まぁワシの映画フォロワー界隈ではあまりクドカンの人気が無い印象だが、ワシは基本的に好きだ。
(ただしクドカンだからといって全ての作品が好きなワケではない)
ワシ自身ナレーションベースだったりするのが好きじゃない場合は勿論あるが、宮藤官九郎の作品の場合、単純に
「ワードのチョイスやネタ的な文章遊びが単純に好みだったりする。」
ココはわりと大きい。
本来 映像作品として"演技や映像"で見せるべき物をセリフで説明するというのは、場合によっては手抜きに見えてしまうもの。
ソレが苦手/嫌いならクドカンはかなり合わない部類に入るというのも いたく納得できる事ではあるのだが、ワシは 心情の吐露をあえてギャグ混じりの軽妙な1人ボケスタイルで語る作りが
《演劇寄りな1人コントライブ》
っぽい雰囲気になっている感覚に近く、とても好みなのである。
つまり個人的にあのスタイルは「ナレーションでありながらナレーションとして見聞きしてる感覚にならない」事が多いのだ。
クドカン脚本のドラマは基本 彼のカラーが爆発してる作品と、あくまでもストーリー重視で軽く色を乗せる程度に収めた作品の2タイプがある。
同じTBSドラマで例えるなら前者が松岡昌宏主演《マンハッタン・ラブストーリー》、後者は今回と同じく長瀬智也主演の当たりドラマ《IWGP》あたりだろうか。
(当然バランス配分は作品によって強弱変わるが)
そしてクドカン爆発型の方がナレーション多め/強め/濃いめな印象だ。
今作はどちらかと言えば後者に当たる。
しかしソレにしては随分とコントライブ的ナレーションが強い。
…というより"強く感じる"。
あえて強く感じる様に入れているのだと推察する。
(もちろんいつも通りに多めな情報量の消化を文章で補っている事に変わりは無いが)
理由は、このドラマの根幹に当たる部分が〈親の介護〉という決して軽くはない題材だからだとワシは考えている。
そもそも この話、介護以外のエピソードもことごとくハードで重い。マジで逃げたくなる様な事件が満載なのである。
しかしその内容に対し主人公の脳筋寄りキャラクターがとても良い塩梅で機能している。
正にプロレスラー。
交わしたり いなしたり そして今度は逃げたりせず、真正面から攻撃を受けて返す。
結果的に観てる側もこのコント的笑いとヒューマンドラマの良い塩梅なバランスを感じているハズなのだ。
だから重い題材を描いているのに感想で「面白い」「楽しい」みたいなワードを使いやすい。
ソレともう1つ、このドラマの良さ。
《昭和の様な家族感》
コレを令和となった現代で違和感なく観れる形になっている所だ。
"能楽の宗家"という一般的な家庭とは明らかに異質な環境が"今どきな家族"と"昭和的家族"の乖離を埋める。
クドカン-デフォルメされてはいるが、何かのフラグだけではなく他愛の無い家族の会話がある。
とにかくご飯は家族全員が集まって「いただきます!」だし、何か起これば また集まって"あ〜だこ〜だ"が始まる。
そしてソレは ほぼ〈居間〉で展開する。
場所を変えても概ね家の中だ。
「正に"家の話"なんですよ。」
それでいて個々のパートでは令和な現代も描いているので、この《ハードなサザエさん》に対する'時代錯誤'感が観てる側に湧かない。
クセが強めな演出と設定の面白さが重い内容のクッションになって、喜怒哀楽のメリハリ強めな 少し懐かしさを感じるホームドラマを素直に楽しめる様になっていると思う。
ハードな話をハードに描くより軽妙に描く方が難しいと聞いた事がある。
今のところ(〜第5話)ソレがとても良くまとまってる気がする。
《タイガー&ドラゴン》等と比べると"能とプロレス"というコラボ要素は若干弱めに感じるが、主軸は家族なので今作の場合 配分はコレで良いと思う。
役者の演技に関して言えば相変わらずクドカン脚本作品らしい大袈裟感ではある。
しかし今作は主要キャラの〈熱量〉が高過ぎない。コレも良い。
クドカンならではのブッ飛んだキャラ物演技/演出は基本脇役に任せて、大元の家族はド派手に飛ばし過ぎないあたり、計算出来ている感じに見える(まぁその分 新作能やプロレスのパートで飛ばしているけどw)。
たまたまなのか全て計算なのかは分からないが、今回の宮藤官九郎作品、ただ楽しい/笑えるというだけでなく、ドラマとしてかなり良く出来ている印象だ。
とりあえず完走まで付き合うのは確定。
以降も楽しみである。