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モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~のhiyokoのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

小芝風花さん主演と聞いて気になっていた作品!
モノの気持ちが分かることで、周囲の"普通"に馴染めなかった女の子が、少しずつ自分らしく踏み出していく物語。
予告のちょっとスピリチュアルな雰囲気にドキドキしてたけど、実際に1話を観てみると、モコミちゃんが見る世界の可愛さにハートを掴まれました☺️

私もちょうど10年ぐらい心を閉ざして生きていたし、周りの人の優しさに助けられて少しずつ外向きになってきたところだから、モコミちゃんの不安な気持ちや、皆が受け入れてくれた時の嬉しさにすごく共感。
自分自身や家族関係についても、身につまされすぎて辛いなぁ…!😭となる部分が多かったけど、その分色んな気付きをもらうことができて良かったです。

実は最初は、モコミちゃんを周囲の人達が暖かく受け入れてくれることを、涙が出るほど感動しながらも手放しで喜べない自分がいました。
優しい世界でなければ枯れてしまうような…
そんな、弱さともとれる心が無条件に肯定されているように思えて、このドラマを観てモヤモヤする人もいるんじゃないかな?と心配になった。
後で思い返しているうちに、それは、私の中の否定的な価値観が浮き彫りになっていたんだなぁ…と気付かされました。
誰にも迷惑をかけず、一人で生きられることが良いこと。そうずっと思っていたから、周りの人を煩わせる自分の繊細さに対して、それを"優しさ"と呼んでくれる人がいようとも、"弱さ"だと感じて許せずにいたんだ…。
まっすぐ周囲の暖かさを受け止めて勇気と強さに変えていくモコミちゃんを見ているうちに、人に支えられて生きることを、少し受け入れられた気がしました。

モコミちゃんが変わり始めたことで、家族全員に揺らぎが起きて、皆が自分の思いをぶつけ合っていく。
板挟みで一番苦しい立場にいるのは、穏やかなお兄ちゃんでは…?と心配になっていたから、鬱憤全開!!な大爆発に、むしろホッとしてしまった😆
我慢をやめるということは、その分、他の人を押しのけることにもなってしまう気がする。
自分勝手には生きたくないし、自分の心も優先したいし…。自分と他人を両立して大事にするのってとても難しい。今、私自身もそのバランスに悩んでいるところ。
私は良い人ではないけれど、周りの人には楽しくいてほしい!
そのためにちょっとぐらいは我慢したり無理したりしたい、って感じるのは自分の中から自然に出てくる気持ちだと思える。
自分を削るほど他人を優先するのは苦しいことだけど、良い人になろうとするのが悪いとか、常に自分らしくいなきゃいけないとか…そういうことでもないんだと思う。
一時は露悪的な態度になっていたお兄ちゃんが、終盤、自然にモコミちゃんを心配してるのが何だか嬉しかった。
怒りや苦しさ、ドロドロした負の感情でいっぱいに思えても…閉じ込めていた気持ちを全部吐き出した後に、きっと本当の優しさが残っているのかも。

誰かを否定するんじゃなく、すごく柔軟に描いているな〜と感じて…
実は思った以上に凄いドラマなのかも…?
途中は苦手に感じたお母さんも、最後はすごく切なく感じた。モコミちゃんが大好きなんだなぁと思える表情に、このドラマの中で一番泣けてきてしまったよ…。
私も家族と色々あったけど、今は生まれてきて良かったと心から思ってる…!
自分の心から生み出される不安や不満が態度として溢れて、周囲にネガティブな影響を与えてしまうこと、与えられてしまうこと。生きていると絶対起きてしまうことだと思うけど、その中でどうすればお互いに心地いい関係を目指していけるのか、模索するのを諦めたくないなぁと願う。
この先もどうしても合わないこと、すれ違うこともあるだろうけど、できる範囲で周りの人とぶつかっていきたいし、分かり合っていきたい!👊✨
そんな風に思えました。

「トクサツガガガ」→「美食探偵明智吾郎」→「妖怪シェアハウス」→「書類を男にしただけで」…と、小芝風花さん出演ドラマを追いかけてきたけど、毎回パワーをもらえる作品ばかり!☺️
元気いっぱいな役柄を見る機会が多かったけど、儚い雰囲気の小芝さんも素敵…✨
自分らしい強さを育てていく姿に、今回もたくさん励まされました。

改めて感想を書いていると、自覚している以上に影響を与えてくれた作品なのかもしれない。30分ドラマの短さで、毎週興味深く楽しませてもらえました!
ぬいぐるみ好きとしては、トミーからの卒業だけがちょっと寂しかったです。
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