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サンクチュアリ -聖域-のragaのレビュー・感想・評価

サンクチュアリ -聖域-(2023年製作のドラマ)
4.0
主人公・清(一ノ瀬ワタル)、ライバル力士静内、相撲オタク清水(染谷将太)の演技力に引き込まれる相撲を題材にしたドラマ。取組で連勝して慢心の清がドン底に落ちる局面や再起に向けた特訓場面などツボを押さえた物語構成も良く、品格を重んずる相撲界の裏側にある卑俗な企みへの抵抗が主題となって視聴者を高揚させる。
ただ、そのツボを押さえ切れていない面もあり、”もっとこうすりゃいいのに” と思わせてしまう不手際も見えてくる。清水の相撲データ分析をもっと清に伝授するシーンや兄弟子たちの心情の変化をより丁寧に表現すべきだろう。先述した三人の主要キャラや二面性を見せる猿将親方(ピエール瀧)以外の登場人物が漫画チックな振る舞いを見せるので、人間味に乏しく嘘臭く見えてしまう。フィクションやコメディという範疇を言い訳にするのではなく、相撲界という格式と緊張感を前面に出すことで、奮闘する人間の苦悩がよりリアルで滑稽に描くことができるだろう。終盤の記者のナレーションも要らない、そこは映像と音楽で十分わかる。ココ一番で説明しすぎなのよ。
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