ザ・クラウン シーズン6のragaのレビュー・感想・評価

ダイアナ妃に対するイギリス王室の冷遇は自尊心の歪さや妬みからくる無関心の果てに悲劇へと転がっていく。誰が悪いという責任追及は問題の核心を射抜いていない。王室の人びともまた悔恨や苦悩する、主軸となるエリザベス女王の本心にこのドラマの魅力はあったはずなのに、最終シーズンになってそこを避けてしまいウィリアム＆ヘンリー王子の挿話でお茶を濁してしまうのは如何なものか。ラストも凡庸な演出、いっそダイアナ妃の訃報で世間との乖離を描く終幕で良かったのではなかろうか。