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アダム&アダムのLCのレビュー・感想・評価

アダム&アダム(2022年製作の映画)
3.5
面白かった。

ある時間軸に移ろうとしたら、座標はズレるし幼い頃の自分に会って質問責めにされるし、勘弁してくれ、こんなことで時間をくってる場合じゃねえんだ!そんなお話。

一応戦闘場面もあるけれど、耐えられない描写は出てこない。素敵。寧ろたぶん、積極的に観察しちゃうまであるかもしれない。

身体を負傷した状態だと搭乗できない仕組みの乗り物は、少し面白く感じた。その乗り物の中には休養できる十分な空間があったから。
移動する自分の部屋みたいで、本でもゲームでも、なんなら卓球台でも、好きな物を置けそう。救急キットも非常食も十分置けるだろうと思う。
つまり、元気な状態でも勿論だけど、負傷中だったら尚更引きこもりたい素敵空間に見えた。
でも負傷中は、降りたら乗れなくなる。悲しみ。

幼い頃と成長してからだと髪色が違うんだな、と思ったけれど、私の欧州の友達も「髪の色が小さい頃と違うんだ、自然に変わったの」と話してくれたことがあって、そういうこともあるんだし、そういうことなのかもなあと早々に脳内処理した。
しかし弱々しい少年がここまで鍛えられたということは、なかなか上手く飲み込めなかった。処理しきれない気持ちを燃料にして物凄い努力をしたんだろう、そうなんだけれど、そうやって鍛えて尚暗い顔してるなあと思うと、辛い。私が。

とはいえ、時に軽妙に、時に真面目に紡がれる会話はクスッとさせるものも多い。
最愛の人との別れ、亡き父との衝突、色々重くなりそうな場面はあるのだけれど、結構気軽に見守ることができる雰囲気がある。なんだかんだみんな強そうだからかもしれない。少年も含めて。
最後にそれぞれのその後も覗くことができるけれど、素直に胸を撫で下ろすことができる内容で、見終わりも気持ちは軽め。
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