以前より、アメリカ的な恐怖のとらえ方と、日本のそれとの違いに興味があって、
その違いを見るいい素材だなと思って、鑑賞してみました。
期待を上回る仕事をやってくれていて非常に楽しめました。
原作の映像アイディアは結構残っているのですが、
ちょっとした改変が、ものの見事に、作品をスポイルしています。
その狂いのなさ、クリティカルヒットぶりに、驚愕し、
かつ、それを楽しむような作品ですかね。(驚愕度:95)
原作が受け手のイマジネーションの喚起に腐心しているのに対して、
本作では作り手側のイマジネーションを押し付けるような改善がなされています。
そもそもの恐怖のとらえ方の違い、表現文化の違いなどがあるのでしょうが、
映画マーケットの違いも結構あるのかなと思いました。
大予算映画は、誰にでもわかるような作品にならざるを得ず、
クリエーターが冒険ができなくなる傾向がありそうです。
作品を受け手のイマジネーションに委ねるなど御法度なのかも知れません。
ハリウッド流に仕立て直した本作品ですが、興業上成功した様子もなく、
米国amazonのレビューを見る限り、評価も低く、
「一兎をも得ず」だったようです。
ある意味、とてもすがすがしく、
「どうしてこうなった」といろいろと思考を巡らすことで、
下手な成功より、よっぽど楽しめるところが困りものです。
今後もリメークものは追っていきたいですね。