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羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来のcamusonのレビュー・感想・評価

3.2
大雑把に言うと、ジブリ映画のクオリティで、ドラゴンボールの戦闘を再現したような作品です(ドラゴンボールのアニメをちゃんと見たことがないのであくまでイメージですが)。

主人公が魔女の宅急便のジジ(黒猫)とトトロのまっくろくろすけを混ぜたような黒猫の妖精の少年。人間形態になったときには猫耳。

主人公視点で物語が進み、テーマは終盤に向けて浮かび上がるように作られているので、テーマを言ってしまうとネタバレになってしまいます。ネタバレを嫌う人は、以下は読まずに作品を先に見るようにしてください。

<以下、若干ネタバレあり>

人間と妖精(自然)との共生がテーマで、人間による自然破壊等により、妖精の世界が侵食される中、タカ派とハト派に分かれた妖精界の争いに、主人公が巻き込まれるといったストーリー。テーマ設定はありがちで特に新味はありませんが、やはり子供がメインターゲットになるでしょうから、このくらいシンプルでもいいのかなと思います。

終盤になるまで敵味方が分からない流れは良かったと思います。善悪を考えた場合、タカ派ハト派のどちらが悪というわけでなく、この設定の中では、まずは人間が悪でしかるべきなのですが、タカ派に暴走させたことにより、そこが有耶無耶になっているのが気になりました。

技術的には、劇場用アニメとしてのクオリティを十二分に満たしており、特に背景美術に手がかかっているなと思いました。この技術で大人も唸るようなテーマ設定の作品が出てくるといいのですが、そうなると、共産党の統制が足かせになってくると思われ、そうはならないのだろうなと残念に思うと同時に、日本アニメの優位性はまだまだあるのかなとも思いました。
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