ムック829

メタモルフォーゼの縁側のムック829のレビュー・感想・評価

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)
4.1
陰キャな女子高生うららと、夫を亡くしたお婆さんの雪がBLをきっかけに意気投合。やがて二人はあることを決意する。

いやー良かった!うららと雪、年齢が離れすぎている二人の関係が素敵すぎて癒された。
これはもう宮本信子さんの演技につきる。嬉しそうな演技がピカイチで、こちらまで幸せな気分になりましたね。
やっぱり好きな事については年齢なんて関係ないんですよ。
私の同僚に今年定年の爺さんがいるんですが、映画を観に行く度に報告してくれてそれが嬉しくて。

そしてBLにもコミケにも興味はないのに、最後はなぜか涙が溢れてしまって自分でもビックリ。
うららは全力で頑張ったけど成果が出なかった、その気持ちのやりようのなさに共感したんだと思う。

明確な目標があって真っ直ぐ努力出来る人なんて、そうはいないと思うんですよね。
少なくとも自分はそう。とりあえず目先の事をなんとか頑張るだけ。
うららがその目先の事に対して「あんまり楽しくないけど、やるべきことをやってる感じがするから悪くない」
そんなことを言うんですが、それが凄く理解できて。とりあえずやることで肯定感が出るというか。

だけど成果が出ないとやっぱり悔しくて。上手くいくわけないと思いながらも、一応全力で頑張ったから悔しい。
でもそんな頑張りが想像もしなかった「何か」を生み出すこともある。頑張ることは無駄じゃないんだと勇気付けられた。

エンドロールの歌がまたいい。芦田愛菜の素朴な歌声がとっても沁みた。てか歌上手いのね。
BLに興味がなくても共感出来る、頑張る人を応援するような素敵な映画でした。
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