ムック829

窓ぎわのトットちゃんのムック829のレビュー・感想・評価

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
4.2
黒柳徹子の幼少期を描いた自伝的小説の映画化。

昔家にトットちゃんの本はあったのだけど、なぜか読んだ記憶がなくて気になって鑑賞。
いやー良かった!「頭から飴玉を出すちょっと変わったおばちゃん」というイメージが180度変わりましたね。
もう優しすぎてビックリ。ただのおてんば娘ではない、トットちゃんの優しさに泣き、生徒達を温かく見守る先生の優しさにも泣いた。

おてんば過ぎるトットちゃんは普通の学校を追い出されて、問題児が集まる「トモエ学校」に通うことになるのだけれど。
そこで知り合った小児麻痺の泰明ちゃんに積極的に話かけ、いろいろフォローをしてあげるんです。これがまず凄い。
障害のある子に対して大人が優しく出来るのは当然だけど、子供だと普通は避けてしまいがち。
私が中学生の時、クラスに身体が成長しない病気を患っている女の子がいたんです。
その時の私を思い出すと、なるべく接触がないように避けていたと思うんですよね…。でもトットちゃんはそうはしなかった。
手足が不自由な泰明ちゃんに積極的に絡んで、時には励まして、なんなら木登りをさせようと手伝ったりして。
テレビで見るちょっと変わった人という印象は完全に一新され、尊敬の眼差しに変わりましたね。

トモエ学校の校長先生も素晴らしかった。子供の話や行動を遮らずに見守り、必要な場面ではしっかり注意や助言をする。
子供の成長には優しく見守る大人が必要不可欠なんだなと、こんな大人になりたいと思わされました。
声優陣も良かった。有名役者ばかりなのに全くその人だと感じさせず、エンドロールで名前を見て驚きました。

映画を騒がしく観ていた子供達も空襲のシーンでは息を潜めていたのが印象的。大人から子供まで楽しめる、心温まるお話でした。
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