独身者は身柄を確保されホテルに送られ、45日以内にパートナーを見つけなければ動物に変えられてしまう、そんな近未来の話。
面白かった！生き残るために必死で自分を偽り相手に合わせる、でもやっぱり自分がかわいい…みたいな人間臭さが良かった。
まさにヨルゴス・ランティモス監督の作風通り。人間の嫌な部分をいっぱい見せつけられるけど、むしろ人間らしさの方に共感してしまうという。
この世界のルールの一つに「共通点がなければカップルにはなれない」というものがあって。
本当は温厚な男が、冷酷な女に合わせて冷酷なフリをしたり。突如鼻血が出る女に合わせて、バレないように鼻を殴って鼻血を出したり。
これは極端な例だけど、実際の夫婦間でも相手に合わせてるところは相当あるよねって。妻には言えないけど。
一番の見せ場はラストの長回し。レストランで椅子に座ってひたすら相棒を待ち続けるシーンに超ドキドキ！
あの間が最高に秀逸。早送り鑑賞では絶対に分からない「間」でしょうね。
独特すぎるセンスとBGMが最高にマッチした、人間の深層心理が炙り出される映画でした。
