かなみ

メタモルフォーゼの縁側のかなみのネタバレレビュー・内容・結末

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

キャストが発表された時は、芦田愛菜さんがうららは合わない気がすると思いきや演技とお化粧で本当にうららちゃんぴったりだった。原作の穏やかな空気感が映画でもそのまま存在していて、観ていて穏やかな気持ちになれた。
コミケから帰ってきて、雪さんの家で"私は情けない"と言ったうららに対して一点の曇りもない真剣な眼差しで"こんな素晴らしい漫画をかいたのよ すごいわよ"と言う演技が特に素晴らしかった。その後に遠くから来た人の内容が明かされるが、絵が下手ではないが特に上手くもなく、コマ割りも初心者らしい絵が絶妙だった。ここで絵がうますぎたらうららが初心者から頑張った感が無くなってしまうが本当に現実味のある素晴らしいラインの作品だった。そして芦田愛菜さんの朗読に合わせて捲られるページの演出もよかった。"縁側で食べるカレーはすごくおいしいんだ"のセリフで雪さんと食べたカレーがうららの中では大切な思い出になってることがわかり泣いてしまった。
頻繁には出てこないが、うららの母も好きだった。受験が近づく娘に
"ふらふらできるときにふらふらしておきなさい"
"われわれ小市民はせめてものの精神よ"と言えるおおらかな心が素敵。私もそんな母親になりたい。
かなみ

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