doji

RRRのdojiのネタバレレビュー・内容・結末

RRR(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

MCUやザック・スナイダーのようなアクションの劇画性のようなものを志向する作家たちが地団駄踏みたくなるような、アイコニックな画作りに溢れすぎている3時間。退屈する暇もなかったし、エンターテイメント性ここに極まれりといった感じ。

それでいて1920年代のインド圧政期をシリアスにも描いていて、主人公ふたりのブロマンスと同時にコロナイザーたちへの痛烈な視線を投げかけている。ラストの旗に血が飛び散るシーンの露骨さにもちょっと驚いたし、エンターテイメントと政治性が合致しすぎていて、ややエクスプロイテーションにもなっている気がする。

ヒーローふたりの最強ぶりはみていて気持ちがいいけれど、ラストのアクションシークエンスに入ったことがわかった時に、ぼくはちょっと思ったのは「あ、このままふたりだけで倒しちゃうんだ」という物足りなさだった。ビームの拷問によって民衆の蜂起に火がついたシーンの興奮は(ドラマシリーズ『andor』の最終エピソードを思わせる)、ラストの大反乱劇への序章として期待させたし、銃を手にした民衆の手によって弾丸が撃ち込まれるべきではないだろうかとも思った。ものがたりとしてのカタルシスの質は変わるだろうけれど、あまりに英雄譚にしすぎてしまうのも、もったいなかったような気もする。史実をちゃんと調べたくなった。
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