ヤンデル

RRRのヤンデルのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
-
・「RRR」はインドでは主演の人気スターのN・T・ラーマ、ラーム・チャラン、人気監督のラージャマウリの3人のRが揃った、という認知だが、作品中に出るように「Rise, Rore, Revolute(立ち上がれ、叫べ、革命だ!)」という意味合いが後付けされている。

・主役の2人は、インドの民主化に貢献しながら犠牲となった英雄、アッルーリ・シータラーム・ラージュとコムラム・ビームの2人がモデルとなっているが、当然だが物語は史実ではない。また、その2人にインドの叙事詩「マハーバーラタ」および「ラーマーヤナ」の神々が重ねられている。

・民主化運動の2人も、インドの神話の登場人物も活躍した場所や時代は異なるので、実際には会うはずのないスーパースターたちが時空を超えて出会っているような形になっている。

・ラーマが独房から脱出した後にビーマと合体する理由は、少しわかりづらいが独房では上半身は鍛えられるが、足を使っていないので歩けなくなってしまったため。

・インド帝国時代は、イギリスがプランテーション(欧州のための大規模農業)のためにインドの農作業を破壊してしまうなど、現地民は圧政を強いられていた。

・「ラーマーヤナ」には、ラーマ王子とシータ王女が登場し、ハヌマーンという登場人物がビーマに重ね合わせられている。橋の下でビーマが炎の中から出てくるのは、神話でハヌマーンが炎の中から出てきたエピソードを元にしている。

・橋の下の少年を助けるときにラーマが取る旗はインドの国旗ではなく抵抗運動の旗で、このシーンはイギリスの憲兵であるラーマが抵抗運動の旗を取ってビーマと少年を助ける、という構図にもなっている。同時に、石油を積んだ蒸気機関車はイギリスの産業革命の象徴ともいえ、それが少年を追い詰めるイメージにもなっている。

・イギリス人邸宅でビーマと動物が暴れるシーンでラーマが馬車に乗って乗り込んでくるが、これも神話でラーマが馬車の乗り手であることのオマージュになっている。

・エンディングでは主役の2人に加えてラージャマウリ監督が一緒に踊り、最後に「RRR」が全員集合となる。
ヤンデル

ヤンデル