もーりー

ヘルドッグスのもーりーのレビュー・感想・評価

ヘルドッグス(2022年製作の映画)
4.0
岡田准一と坂口健太郎の繰り出す、ハードアクションUndercover映画。もはや説明不要、考えるより感じろと言わんばかりの序盤からの飛ばし具合で、目眩がするほど状況が刻々と変動する。そんな流れの中で、主人公兼高の信念と室岡との関係性を見事に見せてくれたなと感じました。

観ていて孤狼の血、初恋、渇きのテイストを感じた、正に映画館で見るべき手に汗握る一作。

アクションの質はさすがで、不自然な尺の伸ばしやテンポの乱れは感じず。任侠映画ではなくこれはスパイアクションなのかも。そう思った矢先に、どこか抜けた笑顔の人間味あふれる室岡が登場。序盤ではその存在の重みに気づけなかったものの、ストーリが展開するに従って兼高の魅力を引き立てる相棒に変貌していたのが印象的でした。

一点、作中の至るところで南ヨーロッパを想起させる演出が多かったのが何故だろうと気になりました。Verdiのオペラ、幾度となく流れるアルハンブラの思い出、ローマ建築・ギリシャ建築を彷彿とさせるコンクリート造が多用された壁を意識させるロケ地…

これから観る方へのアドバイスとしては、ヤクザ映画でよく登場する単語を予習していくことに尽きます。とにかく疾走します。無骨な説明はありません。