原作の深町秋生さんのアクの強さと原田監督の時には目障りな細部に凝る表現が「水と油」でなくて「油と油」の濃密すぎる相乗効果で十二分に腹持ちする映画になってる。
そのギトギト要素を誰にでも観やすい入り口としてつなぎ合わせてる岡田准一さんも「漢」全開で頼もしい。邦画でちょっとピリつくアクション映画としては、なかなかいけてるのではないか。
下手すると漫画みたいな登場人物でも、もしかしたらアンダーグラウンドの世界にはいるかも？と思わせるキャスティングと毎度の小芝居、クセある造形の合致は色々とキャラのバックボーン感じさせて楽しい。
日本人として観るタランティーノ作品より、アメリカ人が観るタランティーノ作品ってこんな感じなのかも。
筋に関してはバレるかもしれない？！の潜入捜査物の定番があんまりないが、名シーンであろうクラブでの女殺し屋登場からガーっとなだれ込んでいくのはなかなか魅せる。
ナンペイ事件や宗教2世ネタは原田監督チックでもあるが深町風でもあるし、何言ってるわからない「喋り」はやんちゃな人達は滑舌良いことないっていうリアル感からきてるのだろう。
ボスお抱えの用心棒への道やヤクザの密葬、カルト教団生き残りのところなんか長いけど、それがこの映画の味付けとしては必要であるけれど、主役がロリコンってのはサラリと流しすぎて勿体ない。
