よし

百花のよしのレビュー・感想・評価

百花(2022年製作の映画)
3.5
前に母が旅行先で体調を崩して横になっているときに、母がいつもより一回り小さく見えて『お母さんってこんなに小さくて弱かったんだ』と悲しくなったことを思い出しました。寝ている母をずっと見ていて、小学生の頃、私が風邪をひくと母は自分の仕事もあるのに午前中休みを取って必ず家に居てくれたことを思い出しました。それって意味の無いことなのに安心したし嬉しかったし、私がこうやって面倒を見るのも母にとっては嬉しいことなのかな、なんて思ったのですが、この映画を観ていて、映画のことというより自分の親のことを考えていました。

正直映画は大したこと無いというか、『半分の花火』も落ちが読めるし、雰囲気と役者の演技だけで持っている映画です。
一番大事になってくる母との思い出のシーンが具体的なものが無く、なんか母と子のいい感じで笑いあってるシーンが流れるだけなので映画の中の母子にあまり現実感が無かった。良さ気な映画で、でもそれだけだった。

ただ、『完璧な親は居ない』という言葉は全ての人に当てはまることだと思います。誰にとっても親というのは幼い頃には絶対的存在で、大人になると親も普通の人間で駄目な部分もあるんだと気付くものなんだと思う。
映画の中の泉の母、百合子を見て、自分の親を思い出す人は多いのでは。
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