会話劇にしてはちょっと長めだけれどキャストが良い。これからもっと売れる感がプンプンしている。
手島実優の声と先輩へのタメ口がチャーミング。
細川岳の掴み所のなさとそれでいてリアルな存在感。
植田雅の生真面目な顔から放たれる「キャッツ」の可笑しみ。
今泉力哉とか濱口竜介、坂本裕二みたいな“セリフの洒落っ気や面白み”にはやや欠けるものの、いくつもの偶然に翻弄され続けるさまを表現する脚本も面白い。
不確実な我々の人生においては変えられるのは未来ではなく、過去なのだと。既に起きたことにどんな評価を下し遡及的に意味を与えるのか、なのだと。