真魚八重子

ピンク・クラウドの真魚八重子のネタバレレビュー・内容・結末

ピンク・クラウド(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ブラジルの新鋭女性監督、イウリ・ジェルバーゼの初長編映画。毒性のあるピンク色の雲が立ち込め、外に出られなくなった人々を描く。2017年にジェルバーゼが書き下ろした脚本なので、コロナのロックダウンとは無関係。

ミシェル・フランコの『ニューオーダー』を観ても、ブニュエルの『皆殺しの天使』がいかに先駆的だったかがわかる。ジェルバーゼも『皆殺しの天使』をインスパイアされた映画としてあげている。
いつ終わるかわからない災害の中で、様々な選択がある。諦めの早い人や、粘ってみてから諦める人もいるし、すでにピンク色の雲が発生してから生まれた子どもは、また違う考えを持つ。
自分の神経との持久戦でもある。ジェルバーゼは全然宗教をもちこまないが、そっち方面のうるさい話もあるだろう。

単純に、インドア派の人は生き延びやすいと思う。自分みたいに執筆業の人間も、ネットが通じている世界なので仕事もできるし。雲が発生したときにどこへ閉じ込められたかで、条件が色々変わってくるので、ニュースキャスターが日々テレビに出ていたりするのが面白い。
真魚八重子

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