幼少期にオレの人格形成に多大なる影響を与えた夢のヒーロー、電光超人グリッドマンを継ぐTVアニメ2作が合体した、待望の劇場版。
オリジナル版放送当時に発売されたソフビをあらかた集めたガチ勢としては、マトモな精神状態で鑑賞出来る筈もなく、無事に大号泣。予期せぬカメオ出演(出てきた瞬間に秒で分かった)や、最終回3回分くらいの熱量のラストバトルなど、最高だった。
怪獣やヒーロー、特撮といったフィルターを通してしか自分を語れないキモヲタが作った、『本人の意思に反して閉じられた世界』という意味では、エヴァや公開中の「シン・仮面ライダー」などと同じ。だが、庵野秀明が70年代頃の作品を中心に引用するのに対し、コチラは90〜00年代頃の特撮やロボットアニメスピリットが炸裂。
一言で言えば、『万人に分かりやすい形に翻訳されたエヴァ』であり、ある程度閉じられてはいるが、庵野作品に比べれば圧倒的にキモヲタ以外にも開かれている。
「シン・仮面ライダー」と違って、ヲタクが見たかったものを全て見せてくれた感があり、満足度が異常に高い。
「やっぱラストバトルは主題歌爆音でかけないとダメっしょ」とか、「フィクションには、リアリティよりも大切なものがある」とか、「お前らが何と言っても怪獣はいるんだ!信じない奴には見えないだけなんだ!!」とか、作品の放つメッセージの一つ一つが一々刺さる。
見たいものが見れた代わりに、特撮やロボットアニメを死ぬほど観ている人間からすると、意外性は全くない。
人間ドラマ部分も突出して良いわけではない(むしろありがち)が、個々のキャラクターがTV版で“やり残したこと”は全て遂げられ、同窓会でありながら卒業式とも言える内容となっており、不満はない。
オタクの閉じられた娯楽で終わるのは勿体ないので、全ユニバースのグリッドマンファンも、そうではないあなたも、
それじゃ、とりあえず同盟を結ぼうか。