kassy

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのkassyのレビュー・感想・評価

3.7
試写会にて

破産寸前のクリーニング店を営む夫婦。税金を納めるため領収書を提出しに行くが、そこで夫と瓜二つの人物に自分の世界を救ってくれと言われ…


なんてあらすじを書きにくい作品なんだろう。
奇想天外すぎて、最初は正直この作品のノリについていけなかった。

自分の行動一つで分岐して、それぞれが存在しているマルチバースな世界。
そのマルチバースの力を利用して、現実を変えていってしまうというのが私の理解。

奇妙なことをすれば、マルチバースの力を使えて戦えるという謎の制約があったり、色々ルールがあるので、ジェットコースターに振り落とされないように要注意。

ようはとてもSF的な作品ではあるのだが、主人公はとても身近なオバさん(お母さん)であり、誰しもが起こりうる事なのだと受け取れる。

いろんな世界がこの映画では出てくるが、とある世界では何もなくて石達だけというシーンがあり、そのシーンがとんでもなく良くて、個人的なお気に入り。ポップなのに超SFであり哲学的でもあり。

とにかく破茶滅茶でごちゃごちゃしてるのにまとめきる監督の手腕がとにかくやばすぎてただ拍手。

なんかすっごくカオスでとんでもないパワーなのに終わってみたらスッキリ、という謎のカタルシスのあるカルト的作品だと思う。
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