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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのasamiのレビュー・感想・評価

4.5
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
試写にて視聴。
『スイス・アーミー・マン』のダニエル・クワンとダニエル・シャイナートの"ダニエルズ"監督作品。
ミシェル・ヨー主演、共演はキー・ホイ・クアン、ジェイミー・リー・カーティス。



破産寸前のコインランドリーを経営するエヴリン。税金問題、娘の恋愛問題など頭が痛いが夫は頼りにならない。

納税事務所のエレベーターの中で突如、
奇妙な態度に変わるウェイモンド。
彼は自分は並行世界(マルチバース)から来たアルファ・ウェイモンドで、
バース全体に危機が近づいているという。
救えるのは、キミだけだと告げられ、
エブリンはマルチバースの扉を開く。



移民の中国系家族、カミングアウトした娘、など生きづさらを抱えた人々の問題と、
「違う人生があるかもしれない」という
マルチバース。
そしてカンフーアクションという要素が
見事にブレンドされたSFアクションコメディでした。
ある意味、壮大な親子ゲンカ。
カオスの先にある、家族の再生。



まずは俳優陣が最高だった!
ミシェル・ヨーの身体能力、美しさ、
アクションとコメディセンスが最大限に発揮されていて、この作品は彼女以外にはあり得ないと思いました。

また、娘役のステファニー・スーが良かった!複雑な役だけど楽しそうに七変化して、
堂々とした演技だった。

そして私の初恋の人、キーくん。
目が離せなかった…。
「マルチバースには違う人生があるのかも」が、一度は俳優の道を断念した彼に重なって胸がギュッとなりました。
アクションや3つのバースのウェイモンドの演じ分け、とにかく素晴らしい…
『花様年華』バースのセクシーな姿も良かったー!
数々の受賞は当然だと思います。
お帰りなさい、キーくん!



バカバカしい設定やギャグ、下ネタアクション満載でとにかく笑えました。
ミシェルたちが大真面目に闘ってるのに、
私たちはゲラゲラ笑っていました!
この辺りは往年の香港カンフー映画を思わせます。

個人的には感動で涙する、というよりは、
このカオスをうまくまとめる監督の手腕と、ミシェルの演技に唸った感じでした。
吸い込まれるような悟りの真空がありました。

そもそもアジア系の中年の貧乏な女性を主人公に、これほどヒットするSFアクションコメディを作るとは、すごいですよね。
今必要な多様性への視点、弱い人に寄り添う視点もあったし。



アフタートークは、ポスターやパンフレットデザインをされたグラフィックデザイナーの大島依提亜さんと、映画評論家の森直人さん。司会は立田敦子さん。

80年台の映画へのオマージュや、ダニエルズ監督作品の魅力などをお話ししてくださいました。楽しかった!
私もウェイモンドのウェストバック・アクションに注目していたので、森さんから『グーニーズ』の話が出て嬉しかったです…
愛しのデータ!


また劇場で絶対見よう。
映画好きの皆さんは行かれると思いますが、
裏切らない映画でしたよ!

急にマルチバースが始まるので、
初めて観る時はエブリンと一緒に集中して、ウェイモンドの説明を聞いてくださいね!


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