鹿苑寺と慈照寺

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスの鹿苑寺と慈照寺のレビュー・感想・評価

2.5
鑑賞後の感想は、やっぱりなあという感じだった。あまり好みではないだろうなあと思いながらも、話題だから観ておくべきかと思って観に行ったが、とにかく好きじゃない。

どうしてこんなに作品に乗れなかったのだろうか。考えられるのは3つ。

①マルチバース
某アメコミ映画で頻繁に登場するマルチバースという用語。これは偏見かもしれないけれど、アメコミ映画を観ていない僕にとってはなんでもマルチバースって言えばいいと思っていない?という疑問がずっとあり、マルチバースという言葉自体に極めて都合の良い、呼べばすぐに家に来るセフレみたいな印象を抱いている。本作にもまさにそんなイメージを抱いた。アメコミが好きな人はごめんなさいね。悪気はないです。
後述する②や③についてもすべて「マルチバースだから」で突き通そうとする印象を受けた。それも単純に嫌。おそらくだけれど、本作が好きな人は逆にこの強引さにカオスを感じて好きなんでしょうね。でも、本作はそれだけになってしまっているように感じた。映画ならではの映像の撮り方やショットが皆無。

②物語の展開の唐突さ
物語の導入が唐突すぎ。いきなりパパが覚醒したからヤクでも決めてんのかと思いました。「面白い」より、「しんどい」が勝ってしまった。

③家族愛
家族愛がテーマの映画ではなかったはずなのに知らない間にそれがテーマになっていて、えっ???となった。そもそもお話の筋なんかないに等しく、観た人が口を揃えて言う「カオス」=ぐちゃぐちゃな作品なのに家族愛なんてテーマを与えられてもなあ。

ここまで難点ばかり書いてきたけれど、鑑賞後に頭を整理しても難点しか浮かばない。
面白かったと言う人には
・最先端のカオス
・視覚ではなく身体で体感する
という用語を使わずに魅力を伝えて欲しいですね。

カオスと言われたからといって誰でも納得すると思ったら大間違いだし、そもそも僕は映画を「視覚で楽しむ娯楽」だと思っているので、身体?はあ?って感じ。

おそらく今年ワーストになると思う。