Melody

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのMelodyのレビュー・感想・評価

3.8
なんとも馬鹿馬鹿しく、かつ哲学的な映画。
何もかもうまくいっていないコインランドリー店主エヴリンの人生の失敗が、パラレルワールドの自分たちの成功を生み出しており、挙句の果てに自分が歪めた世界を救う立場になっている…!
これがアカデミー賞かと驚くような、アメリカ的にはじけたドタバタや艶笑的なシーンも多く、こなれた関係以外の男女での鑑賞はおすすめしかねます。父と娘で観るなどは難易度MAXかと。
しかし終盤、全ての問題はすべての人に縁があり、人生の苦悩に通じるものがあるんだと、その表情だけで納得させていくミシェル・ヨーの力は凄い。エヴリンも、彼女を悩ませるばかりだった家族たちも、それぞれの選びとった人生を生きていく。最後にはすっかり深い人間ドラマを観た気分になって劇場を出られることでしょう。

もっと美しくてかっこいいカンフーシーンを満喫したかったんだとお嘆きの方には旧作「グリーン・デスティニー」をお勧め。
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