Melody

東京リベンジャーズのMelodyのレビュー・感想・評価

東京リベンジャーズ(2021年製作の映画)
3.8
原作を知らずに、よくある不良の青春ドラマか、と思ったが、つい引き込まれて最後までリアルタイムで放映を観てしまった。

見るからに武闘派のドラケン(山田裕貴)はもちろんだが、小柄な優男のマイキー(吉沢亮)も実は強くてその志の高さゆえに総長なのも面白いし、否応なく巻き込まれていく主人公武道(北村匠海)の負け犬っぷりも、それなのになぜかだんだん逞しくなっていく成長ぶりも、有り得ないのに応援したくなってしまう。そんな武道の火事場の馬鹿力の源は、まっすぐでふんわり温かい橘日向(今田美桜)への想い。大人の色恋じゃない、高校生の本物の純情だ。

一度きりしかないはずの、仲間と笑いあった、だけど惨めに終わったあの時代を、何度も何度もボコボコに殴られて死にかけながらも繰り返し、友達を救い、きっと昔武道自身が思い描いていただろう、平凡で穏やかで大したことはないけど悪くない人生を手に入れていく。

わたし自身は、人生やり直したい?って聞かれても今更やり直したくはない。でもちょっと何かがうまくいかない時に、あの時ああすれば良かったなと思うことは多々ある。そんなセンチメンタルな気分をすかーっと吹っ飛ばしてくれるザ・マンガな作品。
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