瀬口航平

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスの瀬口航平のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

みんなの感想読んで、よくわからんで終わるかなあとか思ったけど、思ってたよりそんなことなかった。意外とシンプルな話だと思う。
最初からスピード感やばくて、あ、これぼーっとしてたら置いてかれるやつだ、ってなって集中して観ようと思ったけど、所々集中切れた。いや、映画のせいではなく、俺映画観てて割と別のこと考えがちだから俺のせい、、

いろいろあったけど、家族の再生、あるいは人生の再生がテーマなのかなと思った。

家族とか納税のこととかすごく小さな単位の話から、時空を超えた宇宙的な話と繋げてしまうのはありそうでない?あってもここまで情報過多にしようとは思えないかも。出てきたアイデアを切り詰めてまとめようとしてない感じがいい。実際はまとめたのかもだけど、その感じがない。たいていは整理したストーリーにするために削ぎ落としていく気がするけど、それをしてないところがかなり独創的。

頑張って観ないとわからなくなるやつだと思えたから割とあっという間に時間が過ぎたように感じた。
主演のミシェルさん、あくまで俺の目からだけど、所々芝居の集中が切れてるように見えた。そのシーンに必要なエネルギーが足りてないというか。
どんな撮影スケジュールだったかわかんないけど、ここまで破天荒で、なおかつ、ここまでたくさんのシチュエーションや役柄を演じてたら、どこかで俳優の準備が及ばないところが出てきてしまうのかな。

ただ、石のとことかけっこう俺は笑えたし、こういうSF的な世界観も好きだし、パンフでも言ってたけど、どこまで遥か彼方の世界線に行ってしまっても、コインランドリーと納税が迫ってる最初の世界がベースになってるというところは、とっても良かった。そこから離れてしまったら、あまりに話が宙に浮きすぎて散らかりすぎて現実感がなくなっちゃう気がする。そのバランスはかなり繊細にやらないといけないけど、ギリギリいけてたんじゃないかと思った。

ノープもそうだけど、こういう新しいストーリーはどんどんやってほしい。物語ってこういうものだよね、とかルールとかそういうのを軽々と飛び越えた作品がもっともっと生まれてきてくれるとほんと楽しいなあ、と思う。

この作品もとっても楽しかったです。
瀬口航平

瀬口航平