鑑賞前のミリしらだと、どこにでもいる平凡なオバちゃんがひょんなことから超能力を得てヒーローとなり国や次元の世界を越えて悪の組織と戦う、的なストーリーだと思っていました。
「アクション映画は得意ではないけれどかなり評価高いみたいだしとりあえず見てみよう、笑えたらいいや!」というのが鑑賞するに至る気持ちだったのですが、とても良い意味で期待を裏切られました。「オバちゃんが本気で戦う」というアクションを売りにした作品だと思い込んでいたので、複雑な設定で、こんなに笑えて、哲学的な表現があるとは思いもしなかったし、自分がここまでのめり込んで見れるとも思ってなかったです。感想書くのがかなり難しい。
スタッフ情報すら何も知らないまま見たのですが、序盤の会話テンポや空気感から既に心地よさを感じました。が、「それ今話すこと!?」っていう会話のオンパレードで非常にごちゃこちゃしていて笑ってしまいました。主人公の日常における混沌と余裕のなさが表れてましたね。
ひとつ分からないのが、この物語って全て彼女の複雑な気持ちから来る妄想(悟り?)だったのでしょうか?
生きている中でいろんな分岐点があったけど今の人生が最低で、「あの時に別の選択をしていれば…」という気持ち。(別の世界を覗いても結局取り返しのつかないことや後悔はあった)
娘とお互いを理解することが難しく、上手くいかない悶々とした気持ち。全てを投げ出したい娘に同意して縁を切ってしまうことは簡単だけれど、繋ぎ止めておきたいような。
ずっと抱えていた父親との溝。
優しさで全てを救うことはできないけれど、言葉で歩み寄って、理解し合おうとすることはできる。母親である立場の人の、そんな姿を見せつけられたような気がします。