瀬口航平

すずめの戸締まりの瀬口航平のネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

前作、天気の子が個人的にあまり好きではなくて。。。
それは主人公の思想や行動原理があまりにも幼稚だから。。
そんなんじゃ世界は変わらないし、動かせないよ、、と思って興ざめだったんよね。。
今回の映画でもおれが天気の子であまり好きになれなかった部分が結構描かれてて同じこと思ってしまった。

でもなんか、これはおれが三年前と変わったとこなのかもだけど、別に世間一般が言ってるような大人でなくても、世の中は変えられるし、変わっていい、と思えた。
あまりにも感情的で、衝動的で、周りの大人は振り回されまくるけど、はいはい、しょうがないんだから笑、と言いながら、主人公のことをいろいろな面でサポートしてくれる大人がいる世界のほうが、子供に対して「そんなんじゃうまくいかないぞ、、」と言っちゃう大人がいる世界よりも素敵だな、と思ったから。
そっちのほうが可能性が拡がる感じがして素敵。
あまりにも大人として世間に馴染みすぎると新海監督の映画は心に響きづらくなるな、と今回感じたから、これからも観続けていこうと思う。

あと個人的に少し涙が出そうだったのは、道行く人たちがみんな優しくて、親切だったこと。
世の中の不寛容さを描いた作品よりも、寛容さを描いた作品のほうがおれはすごく好きなので、それをいっぱい描いてくれたのがとても良かった。

魔女の宅急便やハウルを彷彿とさせるような作品のテイストも好み。

新海監督が、未来の自分から大丈夫って言ってもらえたら、絶対大丈夫って思えるじゃないですか、そう思ってもらえたら良いですね、と言っていて、正直そのインタビュー記事読んでなかったら、そういう風に最後のシーン見れてなかったなと思ったけど(あまりにも使い古されたシーンで特に意識して観れなかったんだと思う)、でもその記事読んでたから、素直にそう受け取れた。
絵空事のような言葉とか、上滑りしそうな言葉とか、使うのって結構勇気いると思う。でもせめて物語の中でだけは、しかもアニメだし、ガンガン使っていってくれ!と思う。助けられる人、いっぱいいると思う。
瀬口航平

瀬口航平