「君の名は。」は好きだけど「天気の子」はノレなかった私、本作は推しのSixTONESから北斗が出ていることと、CMで聞いた主演2人の声が素敵だったので、結構期待していた。故に前情報を排除して鑑賞に備えたが、どうやらそれが仇となったようだ。これ、3.11絡みだったのね。。。
「風立ちぬ」では関東大震災の描写があり、その際には特別な感情が湧かなかったが、今回は心穏やかに観るにはまだ年数が足りなかったかも。私は首都圏にいるので大きな被害は受けていないが、姉は宮城で結構な思いをしており、本作を観て想定以上に心が騒つく自分がいた。ましてや最近地震が多いので。。
以下ネタバレ感想
前出の心の騒つきを除けば、戸締まりをしながら旅をするストーリーは興味深かった。閉じ師という役割も見方を変えれば自衛隊や消防士のように私たちを守ってくれる存在のようで心強い。ただ鈴芽が3.11で深い傷を抱えており、どこかに後ろ向きの気持ちがあったとしても、自分の身を投げ出してまで草太を助ける、それほどに好きという描写がやや足りなかったように感じた。
映像は文句なく美しい。全国各所の後ろ戸がある廃墟も良き。戸から飛び出すミミズの禍々しさも迫力があるが、大きいミミズが上空で渦巻きになった時に急にCGのツルンとした表面感になったのは好みではなかった。
それら２つのマイナス面を打ち消せるほどに、原菜乃華と松村北斗の声は素晴らしく、昨今の本職(声優)以外をアテレコに使う風潮にはあまり賛成しない派だが、彼らの仕事には拍手を送りたい。
「君の名は。」ではそのハマりっぷりにRADWINPSのMVとか揶揄されたが、今回は控えめ。彼ら以外の音楽も使われてバランスは良かったかと。でもさ、”あの曲＂はアクが強すぎて魔女が箒に乗ってくるイメージしかしないのよ(笑) その他、音の面で言えば、草太椅子の走る音がまるで馬のようだけど、乾いた木の質感がしっかりあって耳に心地よかった。
