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すずめの戸締まりのnaoyukitakamuraのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.7
地元が東日本大震災の被災地である自分にとっては、共感できる部分が多かった今作。

全体的に新海ワールド全開なので辻褄合わせに困るとこではあるけど、ストーリーの組み立て方と、題材としている震災についての表現についてはかなり面白かった印象。

ミミズと呼ばれる災害の根幹となるモノ。
かつて栄えた街が廃墟になり、人々に忘れ去られた箇所で無念の思いとして溜まり続け、それが災害の元であるという設定。
自然災害について、何か目に見えるモノで表現している様はとてもわかりやすくてよかったなーと。「きっとそんなこともあるよね」的な、どこか盲目的だけどそう思いたい心情を描いている。

常世と現世についても面白い。
要石とかも、史実であるのかな?と思えるほど。本当にあるなら、こういう歴史的要素も含めた映画は好きなので更に評価上げたい。

一番は、現世に残った人々も色々と想いがあるし、常世に行ってしまった人たちの儚い気持ちとかも拡大解釈して、何か感じるとこがあった。

亡くなった人達に対して、一定のリスペクトは必要だけど、そこに固執するのはまた違う。生きてる側としてその瞬間を必死に前進し続けないと。個人的にはそう思う。

東日本大震災から10年以上経ったこのタイミングで、この題材の映画を鑑賞できたのはよかった。
良き作品です。
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