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すずめの戸締まりのzのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

他の新海誠作品と比較すると、
いつも以上に恋愛ドラマを
押し出す感じとか、青臭さが少なくて、
良かった。

美観をただただ押し出し、
若いのに家出しちゃって
はしゃぐのがいいでしょ?って
無理に伝える感じもなかった。
各地の「扉」を塞ぐ、という
一種のゲーム性があったからだと思う。
(ダイジンも「すずめと遊ぶ」という
表現をしていたね)

宣伝でも使用されている、冒頭の、
水溜まりに扉がただあって、
植物園のような細いフェンスで
ドーム状に包まれている、
あの景色が本当に素敵。
安藤忠雄の水の教会や、
厳島神社もそうだけど、
水上に人間にとって重要な何かが
見えるのはとても素敵。
その象徴と面と向き合える感じがする。

何より、この作品は震災に対して
真っ直ぐで、
実際に被災者には黙って
見ていられる人も少なくないと思うけど、
それでも、この作品は
あるべくしてある作品なのだと思う。
新海誠の執念。怒りを感じる。
芸術作品って、どんな感情であれ
執念が強ければ素敵な作品に
なると思うのだけれど、
やはり怒りの感情って忘れられないし、
執念深くなりやすいし、
クリエイトの強い原動力に
なるのではないかと、感じた。

だから、怒りの籠った作品は好きです。
この作品は怒りを伝えたい、
顕にした作品では全くないけれど、
それでも新海の怒りが感じられる。

あと芹沢すきだよ。
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