たまみ

すずめの戸締まりのたまみのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

新海誠作品の中で1番好き。

君の名は。も、天気の子も悪意を持った大人が近づいてくる描写があって、怖かったけど、今作はそれが無くて、終始心が穏やかなまま鑑賞できた。

音楽が毎回良い。
あと効果音?生活音がすごく良かった。
今回は戸締りというテーマだから、ドアの開け閉めの音があるけど、ひとつの「ガチャン」をとってもドアの素材や重さとかそういうものに意味を持たせている感じがして細かいなあーーー!と感動。

現実に起こった災害と、それ以外のフィクションを上手く結び付けているの、すごいな。

本気で自分を心配して叱ってくれる大人がいたり、出会った日に「大事なことをしている気がする」と信じきってくれる友人ができたり。この映画は「繋がり」が描かれる作品だった。

そうたさんが石になる時、自分が死ぬことに気づきながら、「君に会えたから」「君に会えたのに」「死ぬのが怖い」という感情になっている描写で感情がぐちゃぐちゃだった。「自分が死ぬのが怖い」というより「死ぬことで大切な人と別れるのが怖い」という感情が真っ先に来るのが、本当にすずめのことを想っていた証拠なんだろうなと思う。

11年前に、そういう想いを遺して亡くなった方がどれだけ沢山居たんだろう。

「あなたはこの先も誰かを大好きになるし、あなたを大好きになってくれる人もできる」ってセリフが、たくさんの人を救っていると思う。

当たり前の日常が、当たり前じゃないということをちゃんと噛み締めていきたいなと思わせてくれる素敵な作品でした。
たまみ

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