シェパード大槻

すずめの戸締まりのシェパード大槻のレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
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神話って、科学的現象がわかった後にでも作れるんだっていう革命。ファンタジーはいくらでもあるけど神話を作り出した作品はあまり見たことがない。科学がわかっている上に人権とか平等さとかが重視される今、1人の犠牲を差し出す感覚は昔っぽい。し天気の子と似てる。
(猫ズとそうたは神とか人とかいう立場が違うから妥当なのかもしれないけど)すずめが、猫が要石になろうとしないことには怒るのにそうたが要石になることには抵抗するのがちょっとフラットじゃないなと思った。一方でその身勝手さは自然なことだとは思う。
猫は定期検診的な意味合いに於いて抜けてまた刺されたのか(刺し直し)、要石が嫌だったけどスズメとかと関わっていくうちに自分の運命だと受け入れたのか分からなかった。
スズメは悲しい幼少期に対してちゃんと成長する未来を希望としているが、個人的に逆の感覚(幼少期の美しい記憶が絶望的な現実を癒す構図)なので共感できなかった。
言葉にならない吐息とか力みすぎな呻きとかファッションとかユーモアとか小道具のデザインとかディティールが無理だったけどアニメの様式美ならしょうがないか。
アニメーションが進化してて、絵が動くというよりは3Dのモデルを動かしている感じのシーンが結構あった。ドライブのシーンとか空とか。でも2人が出会う坂とかは全然モデリングしてなさそうで不思議な角度だったからまばらに使い分けてるんだろう。
自分的にそうたさん顔が福山雅治に激似。ちなホクロの位置も同じ。もしかしてキャラデザのモデルなんじゃないかしら。
輝く草原で、昔会ったあの人が実は現在のこの人ねっていうのはハウルの動く城ね。
物語の大筋に触れることになっちゃうけど、個人的にネイチャーとか災害に人間が対抗するのがあんまり好きじゃないから、本当はミミズが見えるのを防災とかに活かしてほしい。(物語の面白さはなくなっちゃうからアレだけど)
日本って世界的に見ても地震多くて、ほとんど国がその運命に掴まれている感じあるから、日本の名アニメ監督が地震を神話的に扱っているこの映画は海外から見て興味深いだろうなと思った。不謹慎だからエキゾチックとは言えないけど文系大学生の研究の材料とかにはなりそう。
地震題材にしたこと怒ってる人は、創作が言論の最後の砦だって思わないの?殺人ドラマとか戦争映画とか死ぬほどあるのに?トラウマが蘇るから触れないでってこと?
ダイジンすずめリンク気づかなかった。