シェパード大槻

ねじ式のシェパード大槻のレビュー・感想・評価

ねじ式(1998年製作の映画)
5.0
赤いライト!稼げない男の恋人への情けなさとその男が真顔で居る様をつげ義春がよく描いている。真顔の人が大泣きしている人よりも激情の可能性って、アリマス。恋愛の、ロマンス側面と生活側面を両方気にしている。妻を食わせられないのはやっぱり格好がつかないから少しは大人になるとちょうどいいわけ?レタリング人の、ちょっと白痴と恍惚の混じったような独特の話し方がいい。「それは秘密ですよ、ちょっと品がないから。」都会の女の子って優しくて綺麗だけれど実にぬかりなくちゃっかりしているので爽やかな私立大ボーイのとこへ行っちゃう。対して、可哀想な女と悲しい男の汚い場所での心の揺れはそれに勝る色気でアル。だから汚ねえ白シャツをお前は着てください。知らない少女との二元的な関わりだけが良くそれ以外は何も良くない。「ほら、僕の顔がだんだん青ざめてゆくではありませんか」という剽軽と、死ぬ前に犬に適当に「バイバイー」と言う軽さがいい。剽軽は深刻の中にしかないのだから今ではあまりお見かけできない。ダンスとかお絵描きとかしながら見たらいいかも。最初と最後の映像かっこいい。もっきりやの娘は完璧にあたしが見たいモチーフだった!見た目が