ヤンデル

すずめの戸締まりのヤンデルのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
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・物語の舞台は、宮崎、愛媛、神戸、東京、宮城と大規模災害があった土地となっている。

・「君の名は。」の彗星衝突、「天気の子」の豪雨水害に続いて、本作でも災害である地震がテーマになっており、実際の災害地や日付が出るなどより直接的な表現になっている。

・地震の原因をミミズとしているのは、村上春樹の小説「かえるくん、地球を救う」で地震の象徴としてミミズが出てくることが元ネタになっている。

・岩戸すずめの名字の由来はアマテラスが隠れたとされる「天の岩戸」。宗像(むなかた)草太の名字はアマテラスの弟、スサノオが産み出した宗像三女神が由来となっている。

・すずめは要石でなくなったダイジンに「うちの子になる?」と呼びかけるが、自身にとって大事な草太を奪われてしまう。一方で、たまき(環)も幼いすずめに「うちの子になる?」と言って母親代わりになるが、自身の青春や結婚を奪われたかもしれないという思いもある。つまり、これらの関係性は対になっている。

・すずめが序盤で草太に対して「前に会った気がする」と感じていたのは、幼少期に常世で自分自身と同時に草太の姿も見ていたため。

・草太が戸締まりの際に唱える祝詞(のりと)は神道の祭祀において、神に崇敬の意を述べて加護を願う言葉で、土地を本来の持ち主である産土(その土地の神)にお返しするという内容になっている。

・すずめのイスはおそらく東北の大震災の津波で失われたが、取り戻されたきっかけは常世で未来のすずめによって渡されたことになる。しかし未来のつばめも過去に自分自身から渡されたから持っているので、元々イスを発見した要因がない。これはタイムスリップものにありがちなパラドックス(矛盾)になっている。
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