テオブロマ

すずめの戸締まりのテオブロマのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.3
新海誠作品で1番好き。すごく辛い気持ちになるけど劇場で観て良かった。どうしても親視点で見てしまうのでクライマックスらへんでは耐え切れず泣いてしまった。

これまで大規模地震の被災地に住んだことがなくルーツもなくて、いつもニュースで遠い場所のこととして知るだけだったけど、災害が起こる前にそこで実際に生きてた人が大勢いて、ある日突然そこにあった多くの関係や日々の営みが絶たれたんだなというのが実感としてすごく伝わってきて辛くなった。映画自体はフィクションだけど災害と被災者は現実だから。子がいる親としても辛過ぎた。

ドヤ顔のRADや無意味なスカートへの執着がなく、男キャラがエロ思考に走らない、大人を敵ではなく子どもを守ろうとする存在として描くなど、これまでの新海作品で気になってた部分が軒並み変わってたのも良かった。ダイジン達の扱いとか旅がとんとん拍子に進み過ぎとかつっこみたい点ももちろんあるけど、それらを上回る良さがあった。地上波で流せないかもという意見があるのもわかる。でも事前に警告しまくったりして、ロードショーでもやって欲しいなと思う。
テオブロマ

テオブロマ