テオブロマ

ミッドサマーのテオブロマのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.9
傷心の主人公が奇妙な村人達と出会い、家族となり、辛いことから解放されて幸せになるハートフルストーリー。ところどころギャグ。ペレが有能。

アッテストゥパンにしろ生贄にしろ、当事者達の表情が「本当はやりたくない」と物語ってるのに同調圧力すごくてやらざるを得ない雰囲気、村人全員を自殺教唆や殺人の共犯者として巻き込むことで成り立ってるようだなと感じた。誰か1人でも正気に戻ってはいけないからあんなに頻繁にクスリ決めてるんじゃないかな。殺人(方法がほぼ拷問)、薬物、飲食物に異物混入などなどやらかしまくるのに交通法規は守らないとって言ってるホルガ村民面白過ぎた。

ペレの両親も生贄になったっぽいけど、年齢的に計算が合わないし、村人の練度が高過ぎるから90年に1度というのは嘘じゃないか、もっと頻繁では?って思った。外部の血を入れるのが90年に1度とかだったら血が濃くなり過ぎてたくさんのルビンが生まれてそうだし、熊の捌き方を教わってる若者達は15歳以下くらいに見えるから、90年後教える側になる前に皆飛び降りることになる。日常的に捌くのかもしれないけど。
(追記)「大祝祭」が90年に1度なのであって、祝祭は年1か数年に1度はあるのかもって後から気付いた。アッテストゥパンについては祝祭ごとではなく毎年の恒例行事なんだろう。祝祭とかぶると村人の生贄としてカウントできるからお得だね。

妹と両親の件、ダニーと別れたがってる彼氏とそれを後押ししてるような友人達、精神的にものすごく辛いのに黙って計画されてたスウェーデン行きなど、嫌〜なリアルさがある冒頭がある意味1番しんどいかもしれない。ホルガは現実離れしてて、うわグロッてなることはあっても直視できないほどのことは特になかった。ペレが僕も両親を…って言った途端ダニーが部屋のトイレに走って、そこで飛行機のトイレに切り替わるカットがいい。

村の女性一同との初めての共同作業はもう笑うしかない。一周回ってホラー。薬盛られてたとはいえあの状況で完遂できるクリスチャンはすごい。それだけは言える。丸出しで逃げ出すもあちこちから人が来てどこにも隠れられない様子は完全にギャグだった。雑な犬神家みたいなの見ても血のワシにされた友達見てももはやあまり狼狽えもしてなくて、慣れちゃったんだね…異常事態に…。

イチイのやつ投与されたけど「え、効いてなくない…?」みたいな顔してる立候補者2人が、焼かれながら案の定苦しんでたのは気の毒だった。あんな状況で話が違うってなっても手遅れだしね。

とにかくダニーが最後救われてよかったと思う。イイハナシダナー
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